テラスを作る前に是非知っておきたい3つの予備知識

近年、ウッドデッキと並んで人気のアイテムとなってきたテラス。リビングルームの掃き出し窓前にタイルテラスがあれば、室内からお庭への心理的な距離が短くなりお庭の使い勝手もよくなります。

 

ここでは、お庭をより快適に活用するアイテム、テラスについて使い方や思わず欲しくなるアイテムをご紹介していきます。是非あなたのお庭にも取り入れて、楽しいガーデンライフをお過し下さい。

 

目的、形状、素材の種類

エクステリアを調べていくと必ず目にするテラスの文字。そもそもテラスとは何なのでしょうか。もともとの意味のテラスは、高台、大地、段丘など地面に関する言葉ですが、エクステリアにおけるテラスは、建物の外部・お庭において地面よりも一段高くなったスペースのことを指します。

 

テラスの目的、形状は各家庭で様々で、それによって使う素材も変わってきます。完全に生活の一部として使うテラスなのか、人を読んで楽しいひと時を過ごすテラスなのか、テラスのある生活を想像してからデザインを決めていきましょう。

 

テラスの目的

テラスは通常は掃出窓の前に作られ、室内からの出入りをスムーズにして洗濯物やガーデニングの際の使い勝手の向上のほか、用途に応じて窓を全開にして使用出来るスペースを広げて食事や催し物の場としても使えます。

 

広いお庭を持ったけれど土の汚れや植物の世話は苦手、裏庭は狭くて日も当たらず綺麗な植栽スペースとしては見込めない、そんな方・ご家庭の場合はお庭一面をテラスでデザインするのも一つの手です。テラスであれば土の面を無くすだけでなく掃除や植栽の管理などの手間からも開放されて、メンテナンスフリーで快適なお庭として活用できます。

 

テラスの形状

テラスの形状は様々ですが、基本的には四角で掃出窓に隣接する形で造作します。中途半端な広さだと何をするにしても却って不便になりお庭を活用する機会が少なくなってしまうので、テラスが必要な場合は広めに作りましょう。小さなお子様や足腰の悪いお年寄りがいらっしゃるご家庭ではステップを1~2段造作すると更に使いやすくなります。

 

土の面を多く残してガーデニングや子どもの遊び場として活用しないという場合は、ステップや濡れ縁、コンパクトなウッドデッキまでにとどめておいたほうがいいかも知れません。使い勝手のいいテラスですが、唯一のデメリットは解体作業が大掛かりということです。

 

コンクリートブロックとコンクリートが主な材料であるテラスは作るのも壊すのも大工事になるので、お庭で何がしたいか、テラスをどう使いたいかを十分に考えた上で有無・サイズを決めましょう。(新築に合わせてテラスは欲しいけど本当に必要か分からない、という方は住んでみてから決められてもいいでしょう)

 

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テラスの素材

タイルの素材ですが、主にコンクリートのまま、タイル、自然石というのがよく見られるデザインです。コンクリートのままは一番費用が安いのですが、日中の照り返しによる輻射熱が強く、立地条件によってはリビングルーム内にまで光や熱が及びます。第一せっかくのテラスも一面コンクリートの灰色では楽しい気持ちでお庭を使えませんね。やはりテラスはお庭の雰囲気や使う方の好みに合わせて彩りを加えるのが良いでしょう。

 

テラスの表面の素材ですが、タイルを貼るのが多く見られるデザインです。タイルは様々なデザイン、色合い、肌触りのものがあるので、家やお庭のデザインや使用用途に適したものを選びましょう。

 

タイルは吸水率によりⅠ類(磁器質)、Ⅱ類(せっ器質)、Ⅲ類(陶器質)に分類されます。焼成温度が高いⅠ類ほど吸水率が低く、より硬いタイルとして分類されますので、タイル選びの際はデザイン以外でも注意するポイントになります。日本ではこれら3つの種類を総称したものを陶磁器質タイル、セラミックタイルと呼びます。

 

今やエクステリアにおいてテラスといえばタイルテラスと言うくらい、タイルは人気の素材です。その理由は、陶磁器の技術進歩による表現力の幅の広さと言えるでしょう。今や外観では、セラミックタイルで表現できないものはありません。皮、布、金属や木材など、触らなければ分からないほどの再現率を誇ります。もちろん耐久性は本物より高く、カラーバリエーションも豊富です。

 

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次に人気の素材は自然石、特に乱形石です。イエロー系やピンク系のナチュラルな色合いと不揃いの形は、既成品では味わえない自然の趣が感じられます。色合いの美しい乱形石のテラスは洋風の雰囲気をまとっているので、お庭のスタイルや家の外観と合わせる必要があります。

 

和やアジアンテイストなお庭より、ヨーロピアン、ナチュラルモダンなお庭の方がよりお庭の統一感が出るでしょう。また、歩いて通り過ぎる玄関のアプローチよりも腰を下ろしてくつろぐテラスのほうが床面に視線が向きやすくなります。つまり、乱形石の石貼りの技術の出来不出来がよく認識できてしまうということなので、石貼りの技術が拙いとせっかくのテラスが台無しになってしまう危険性もあります。

 

乱形石の石貼りはセンスと技術がはっきり分かる作業なので、テラスの施工にかぎらず乱形石のデザインを取り入れる際はその業者の施工事例写真をよく見て判断されるといいでしょう。

 

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落とし穴回避のための予習

せっかくテラスを増設しても、思いもしなかった理由でテラスを使わなくなる、解体せざるを得ない状況に陥ることも無いとは言い切れません。なぜそんな事が起こるのか、どうすれば回避できるかをここではお伝えします。特に、お庭のリフォームでテラス増設を考えている方は頭に入れておいて下さい。

 

基礎

テラスは建物とは別に新たに設ける構造物なので、住宅の基礎を当てにすることは出来ません。なので、テラス単体の基礎工事がきちんとなされていなければ、地盤沈下や傾きの原因となってしまいます。特に屋根付きのテラスの場合、家の外壁と屋根部分が結合しているものがほとんどです。テラスが沈下したり傾けば屋根も引っ張られ、その影響は建物の外壁にも及ぶ可能性もあります。

 

この問題は基礎工事がおろそかな為に起こる事象です。なぜ基礎工事がおろそかになるのか、それは技術が未熟だからではなく、出来てしまった後では確認が出来ないところに経費を掛けないズルを行う業者がいるからです。店舗やホームページをちゃんと構えて沢山工事をしている会社でそんなことが本当に?と思う方もいらっしゃる方もいるかも知れませんが、実際にそんな業者は存在します。

 

災難を回避するためとはいえ、工事のすべての工程を監視し続けるということは実際には難しいです。見続けたところで素人には何をやっているか、どの手順が正しいか間違っているかの判断もつきづらいと思います。せめてもの事前策として、安さを売りにしている業者は除外する(安さではどこにも負けませんという業者は、逆に言えば安さ以外では他と張り合えないということです)、施工例や過去のお客様の口コミをよく吟味する、過去の施工を見学できる場合は見学させてもらう等が挙げられます。

 

蚊対策

テラスを造作してお庭を楽しめる空間を作っても、害虫、特に蚊が飛び回っていてはせっかくのテラスも使用頻度が下がってしまいます。近年では5月からもう蚊が活動していたりするので、テラスを使ってアウトドアリビングを楽しみたいという方はせめて出来る限りの蚊対策はしたい所です。もちろん夏真っ盛りの時期に長時間お庭に出ているのでしたら蚊取り線香や虫除けスプレーは必須ですが、お庭にプラスするだけ、気をつけるだけで蚊に効果があるものあるのでお庭に取り入れてみてください。

 

まず、蚊は水たまりや池に卵を産み付けて、これが孵化してボウフラになります。そのボウフラはバクテリアを栄養にして育ちます。つまりボウフラが生きていくためには汚い水が必要なのです。なので、庭に汚い水を溜めないよう心がけることが重要です。雨ざらしのまま放置してあるガーデニンググッズがあれば、蚊の温床にならないよう片付けましょう。

 

次に、雑草を処分し伸び放題の下草はカットしましょう。蚊が血を吸うのは産卵期のメスだけです。メスは交尾後卵を生む栄養源として血を必要とするので、オスや産卵期以外のメスは花の蜜や草の汁を吸って過ごしているので、住処である草むらを無くす、または少なくすることで発生率を下げることが出来ます。

 

また、蚊はちょっとした風邪が吹いても上手く飛ぶことが出来ません。ですので、ちゃんと風が通るようにお庭のよく茂った植栽をカットすることでも蚊にとって暮らしづらい環境になります。

 

※あまり当てにしすぎてはいけませんが、蚊が嫌う成分を持つ下草をお庭に取り入れるのも手のひとつです。カトリソウ、ラベンダー、チェリーセージ、ローズマリー、バジル、レモングラス、ユーカリ等が該当します。

 

使い勝手が良くなるマストアイテム

せっかく作ったテラスですから、どうせならより使いやすくアイテムをプラスしたいですね。ガーデニングをしたいのかバーベキューをしたいのか、またはただゆったりと過ごす空間にしたいのか、それぞれの進化に適したアイテムが必ずあります。最初から取り入れずに必要に応じてプラスする方針もいいのですが、後付が出来ないものもあるのでテラスを造作する際は各アイテムの必要性を予め考えておきましょう。

 

立水栓

立水栓とは柱上になっている水道栓のことです。植物への水やりやガーデニングの道具の洗浄と、テラス周辺またはテラス内部に据えれば大活躍するアイテムです。毎日のように使うものなので、使い勝手が良くなれば水やり作業も楽しくなります。

 

蛇口は通常一つですが、2口タイプにするとホース用と手洗い用に使えるのでとても便利です。沢山の種類のオシャレな立水栓が販売されていますが、テラスで使った素材(タイルや自然石など)を利用してオリジナルの立水栓を造作すると、タイルに統一感が生まれます。

 

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グレーチング

道路の排水路の蓋として知られているグレーチングですが、テラス専用のグレーチングもあります。一昔前はテラスを作る際、家側面の水切りの機能を損なわないために水切りよりも下の高さでテラスを作っていました。

 

そのため室内の床とテラスの床面は完全なフラットにならず、水切りを避けた分だけ段差が生じていました。ですがこのテラスグレーチングを建物とテラスの間に噛ませるように施工すれば水切りはもちろん床下換気口を埋め殺すこともなく、家の中とテラスのスムースな移動が可能になります。

 

遊び盛りのお子様がいるご家庭では走り回って段差につまずいてしまうのではと不安も感じるでしょうが、このテラスグレーチングが安全面を保証してくれるでしょう。もちろん完全フラットのほうが見た目の美しさもアップしますね。

 

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ライティング

夜のテラスを素敵にライトアップしてくれるガーデンライト。テラスの床面に埋め込んで足元を優しく照らしてくれるグランドライト、太陽光だけで電力をまったく使わないソーラーライトから省電力のLEDライト、アンティークなフォルムが魅力のマリンライトなど、形も種類も豊富です。ガーデンライトひとつで夜のイメージがガラリと変わるので、ぜひとも取り入れたいアイテムです。

 

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オーニング、テラス屋根

オーニングは布でできた骨組みのある日除け・雨除けのことです。夏の暑い日差しや鬱陶しい雨を遮ってくれるので、テラスの空間が快適になること間違いなし。可動式なので、日差しを自由に調整できるのも魅力です。動かし方はクランクハンドルを使っての手動タイプとスイッチやリモコンを使っても電動タイプがあり、それにより工事内容や設置費用も変わってきます。室内の温度も下がるので、省エネ効果も期待できます。

 

テラス屋根はオーニングとは違い常にテラスの上部をカバーしてくれているので、急な雨や突風の際も安心です。屋根材は熱線を吸収するタイプのポリカーボネートがいいでしょう。カラーは好みがありますが、屋根の表面は簡単に掃除ができる場所ではないので、汚れが目立たない色がベターと言えます。

 

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ガーデンルーム

テラス、特にタイルテラスと相性がいいのがガーデンルームです。基礎がしっかりしたテラスの上に建つガーデンルームはまさに新しい部屋として、庭の一部としても家の一部としても使用可能です。外部電源を引けばガーデンルーム内もライトや冷暖房器具を用いて快適に過ごすことも出来ますし、左右の扉を設けないサイドスルータイプでしたらよりスムースにお庭に出てアクティビティを楽しめます。

 

ガーデンルームの設置を考えているのであれば、最初から希望のサイズのガーデンルームに見合う大きさのテラスを作りましょう。中途半端な広さのテラスだとガーデンルーム設置のためにテラスの面積を増設したり作りなおしたりしなければならない場合もあります。

 

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まとめ

テラス作成にあたって、予め解決しておく問題やプラスすべきアイテム等、様々な事柄があります。第一にテラスは我が家に必要か、必要ならどれくらいの大きさか。テラスを作ったらどんなことをしたいか、そのためにはどんな付属品を最初に取り付けておくべきか。

 

それ以外にもテラスの素材、特にタイルは数限りなくあります。家やお庭のデザインと合わせるのももちろんですが、ご家族がどんな使い方をしたいかでも選ぶべき素材は変わってきます。テラスは簡単に取り替えのきくアイテムではないので、ご自身だけでなくご家族、デザイナーの意見も取り入れて満足感の得られるテラスを作っていきましょう。