横浜で理想のお庭づくりを体現する皆川裕のエクステリア論

横浜市をメインにエクステリア工事を手がけている皆川さん。今回インタビューした物件は、飼われているワンちゃんの為にデザインした、まさにドッグランそのものの広々としたお庭です。主庭以外にもフォーカルポイントで溢れているセミクローズ外構、その魅力に迫ります。

 

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ー今回は新築のエクステリア工事でしたが、コンセプトは何だったのでしょうか。

皆川:ズバリ、ワンちゃんが喜ぶエクステリアですね。これまでもペットと楽しく過ごせるお庭をデザインしたことはありましたが、今回ほどペットとの生活を重視して作ったお庭はありませんでした。デザイン性は勿論ですが、エクステリアの全てがワンちゃんの事を考えて作っています。

 

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ーなるほど。ではまず、お庭の外観からお聞かせ下さい。アプローチの上にはゲートが3つ連なっていますね。

皆川:これはお住いの2階に取り付けられている縦桟から着想を得てデザインしました。建物の縦のラインをエクステリアにもプラスすることで、全体的に一体感を感じられるようにしています。全体のテーマはナチュラルモダンなので、金物も冷たい印象のものではなく木目調のラッピングを施したものを多用しています。

 

ー木目調だから、温かみのあるデザインに感じるんですね。塗り壁の色もホワイト系なのは家のデザインを踏襲しているからでしょうか?

皆川:はい。立体的な構造物の色は白と茶にすることで、まとまった印象を抱くようになっていると思います。余計な色や異素材はなるべく増やさないようにしたので、ネームプレートも目立ちすぎないようなシンプルな切り文字タイプを選択しました。

 

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ー切り文字タイプのネームプレートは、お庭を囲っている格子状のフェンスと雰囲気が似ていますね。フェンスが格子タイプと横桟タイプの二種類があるのはなぜでしょうか。

皆川:主庭はドッグランとして使うので、脱走防止のためにフェンスを用いましたが、ここもウッド調のアルミフェンスを使うとせっかくの主庭の開放感を阻害してしまいます。ですので、主庭と隣合わせのフェンスはスッキリとした雰囲気の隙間の大きい格子状のフェンスをチョイスしました。フェンスのステンレス色は、明るすぎないタイプのカラーなら白と茶メインのカラーリングの邪魔をしないと思い採用しましたが、実際に取り付けてみるとマッチしているのが分かりますね。

隣地境界線上に取り付けたフェンスは視線をカットするのが目的なので、こちらは隙間があまりないタイプを取り付けています。

 

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ーアプローチを右に曲がると、雰囲気の変わった前庭が広がっていますね。

皆川:ワンちゃんのお庭とは言え、やはりお客様への印象も大切ですからね(笑)エントランスは植栽や自然を感じさせる素材をふんだんに使ってナチュラルに仕上げました。ポストを取り付けてある擬石貼りの壁は一枚だと重厚な感じがしてしまうので、あえて2枚に分けて重ねることで重苦しさを軽減させています。

 

ー前庭は植栽がそこかしこにランダムにあふれていますが、なぜか乱雑な印象を抱きませんね。

皆川:それは土の面をカバーするように白い化粧砂利を撒いているからだと思います。土はよほど丁寧に管理し続けないと汚い印象を与えかねないですが、このように砂利などのアイテムで覆ってしまえば、見せたい植物のみを見せつつ土を隠すことが出来ます。砂利に覆われているので雨の際も泥がはねずに白い壁を汚れから守ってくれるというメリットもあるんですよ。

 

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ーなるほど、確かにそれなら土の汚れは飛び散りませんね。玄関前には立水栓とセットのオリジナルの水受けがありますね。これはやはりワンちゃん用でしょうか?

皆川:はい、ワンちゃんもしっかり洗えるように水受けをオリジナルで大きく作りました。なかなか無いサイズですし、ちょっとした見どころの1つですね。

 

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ーこの玄関前の片扉を入ると、いよいよワンちゃんのための空間ですね。

皆川:十分な広さを一面人工芝でカバーして、ワンちゃんのための広々とした空間を作りました。2匹のワンちゃんが安心して遊べるように障害となるような立体物は極力設けないようにしてあります。しっかりと壁やフェンスで囲ってあるので、ボール遊びも車の心配もなく心から楽しめますね。車でドッグランに通わなくていいのは、ワンちゃんにとっても大きなメリットだと思います。

 

ーそうですね。一面人工芝で覆われた空間ですが、こだわりやポイントなどはありますか?

皆川:人工芝の下はコンクリートではなく、砕石、川砂、防草シートを丁寧に転圧・敷設して作りました。広大な面積なので苦労はありましたが、手間を惜しまず作った人工芝は透水性に優れて雑草対策も万全ですし、下地は硬くないのでワンちゃんの足腰にも負担を与えにくくなっています。

 

ーなるほど、それならワンちゃんの足も安心ですね。全体的にシンプルにデザインした主庭ですが、1本植えた木の周りのみデザインが施されていますね。

皆川:こちらは施主様のための空間と言えますね。元気いっぱいのワンちゃんと遊んで疲れた場合もお庭で休めるよう、タイルでベンチを作りました。シンボルツリーを愛でながら愛犬の遊ぶ様子を眺めるのは、とても幸せな時間だろうと考えてデザインしました。

 

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ーシンボルツリーの下の部分も化粧砂利を撒いていますね。

皆川:ワンちゃんは土を見つけたら掘ってしまうかも知れませんので、こちらも土の面をカバーしました。ワンちゃんは家の中とお庭を行き来しますから、足の裏や爪の間に土や汚れが入り込まないよう、配慮してデザインしました。

 

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ー細部にまでワンちゃんへの気遣いがされたお庭ですね!夜になると、また雰囲気が変わりますね。

皆川:夜はワンちゃんを遊ばせる時間ではないので、活動的な雰囲気にならないようにライトは目線から遠い位置に配置しました。入り口のゲートの下の部分にもライトを仕込ませてあり、夜に通るとまるで光のシャワーを浴びているかのようにデザインしました。この案はお客様に評判が良いみたいです(笑)

 

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ーなかなか一般のご家庭では見ないデザインですし、通ってみたらちょっと嬉しくなりそうですね。アプローチの端を照らしてくれるライトも素敵ですね。

皆川:ライト自体は決して多くないのですが、壁の間に仕込んだり反射するタイルの近くに設置したりしているので、アプローチ全体が光り輝くように見えると思います。夜は日中より落ち着いた、大人な雰囲気になるようにライティング計画を進めました。

 

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ー確かに、都会的な雰囲気のする空間ですね。光を加えるだけで、こうもエクステリアのイメージが変わるんですね。振り返ってみて、今回のお庭をデザインしてみていかがだったでしょうか?

皆川:勿論第一に考えたのは施主様のご要望、つまりワンちゃんにとって最高の環境でしたが、それだけでは人が楽しむお庭として偏りが感じられる事が出てくるかもしれません。ですので、ワンちゃんと楽しく遊べるとともに、エクステリアとしても十分に機能するカッコいいお庭を同時にデザインしたつもりです。施主様の視線からも、ワンちゃんの視線からも満点をもらえるようなエクステリアであれば嬉しいですね。